大変お久し振りです、荻灯です。
最近は何をやっていたかというと、まんがを描いたり、絵を描いたり、
こんなものを作ったりしていました。磁石仕込みでねんどろいどの頭につけられる、つまみ細工の髪飾りです。この荻灯は推しの頭に軽率にお花を咲かせたい類のオタク(アクティブ)です。
pixivBOOTHでこっそり販売なんかしていたりします。桜が散るまで限定ですが、ご縁ありましたらぜひ。
そんなわけで、本日は…
かすたむヘッド:のっぺらフェイスに1から顔を描くよ!
今までのオーバーペイント(元の面相を崩さず、目の中の色のみを変える方式。メイキングは「顔パーツあれこれ」カテゴリの過去ログをご覧ください)から一歩前進し、「かすたむヘッド」の「のっぺらフェイス」に絵の具を用いて1から顔を描いてみることにしました。
本当は水転写デカールを試す予定だったのですが、twitterで色んなかたのカスタムを拝見しているうちに手書きのお顔に惹かれまして、せっかくだから挑戦してみよう!ということになりました。
けっこう楽しい、うえにかわいい、なんか手間を掛けたぶんだけ謎のドヤ感達成感があるとおいしいことずくめ。ぜひとも流行っていただきたい。そんなわけで、記録を残しておくことにしました。
ちなみに、筆者が頑なにフェイスメーカーを使わない理由の解説はこちら。
早い話が「鼻が欲しい」以上です。
では、さっそく顔を描いていきたいと思います。
使用画材まとめ
まずは今回使った道具の解説から。
目の中は相変わらずターナーアクリルガッシュで塗っていくのですが、目の輪郭や眉、口などをペイントするにあたり、今回はリキテックスを導入しました。理由はよくわからないのですが、ドールペイントで使われているのをよく目にするため、先例に倣えという要するになんとなくです。色は実店舗で適当に選びました。では、ひとつひとつ解説を。
今回のMVP
リキテックス アクリル絵具 リキテックス ジェッソ 300ml
まず今回のMVP、リキテックス・ジェッソ。画像をご覧いただければお分かりの通り、そのまんま「白色地塗り剤」です。裏面を読むと…なになに、「リキテックス・ジェッソはリキテックスカラーの定着と発色を促す白色地塗り剤で(中略)上にはリキテックスカラーの他、油絵の具、水彩絵の具などを塗ることが出来ます」ふむふむ。要するに「下地」ですね。
これは私の場合元々はジオラマの質感付け用として購入してあったものですが、なんとなく思いついて使ってみたところ、リキテックスカラーと同様水で希釈・洗浄ができ、水で希釈できるためムラにならず、そしてカバー力が強く、自然なつや消しで、発色のいい白…完璧な下地剤です。
白目の塗り、及び目玉の発色をよくするための白色下地として目全体に使いました。ムラを作らないための使い方のコツ等は実践編で追って解説を入れようと思います。
使った筆
タミヤ メイクアップ材シリーズ No.48 モデリングブラシ HF 面相筆 極細 87048
まずは前回から続投、タミヤメイクアップシリーズの毛足の長い極細面相筆(87048)です。毛足が長めなぶん水気をよく吸うため、水多めでムラを消す時に適しています。細い線もきれいに引けるよ!そして何より安い。すごい。さすがタミヤです。
次に今回から新しく、BUNSEIDOのハイセーブルシリーズ5/0?というものを実店舗で購入しました。これはネットではリンクをうまく見つけられず…。タミヤのものよりも毛足が短いため、細く均一な線を引くのに適しています。目の中の塗り分けのアウトラインを引く時に使いました。
使った絵の具
眉・睫毛・口などは上の画像のリキテックスを大体原色、たまに混色しててきとうに使っています。薄い色から置いていって少しずつ濃くしていく感じで描きました。てきとうでもかわいければOKだと思います。思う存分かわいくしましょう。
目の中は、以前オーバーペイント時に作成した色彩地図をそのまま使い、ターナー社のアクリルガッシュで塗っていきます。
ちなみにこの色彩地図自体の作成方法ですが、
- 使う色をピックアップし、白い紙にリアル色見本を作る
- リアル色見本とにらめっこしながらPC画面上に同じ色を作る(上記画像右側のリスト作成)
- てきとうにそれっぽい目の形を描く
- 先ほど作成したリストからスポイトで色を取りながら配色
という流れで作っています。
私の場合はあくまで「ねんどろいど」に拘るため、ぼかしのグラデーションではなくアニメ塗りで進めるのですが、そうすると綺麗に仕上げる為にはこの工程が必須になって来ます。
こんな感じになります。かわいいですね。かわいければOK。実際はこの後目の最下部にハイライト、濃い部分に黒を乗せて完成になります。
おまけ:レジンコート
ガイアノーツ マテリアルシリーズ M-04r UVジェルクリアR 紫外線硬化型クリアー樹脂ホビー用素材 81020
ガイアノーツ製、フィギュアの目など用のクリアレジンです。別途UVライトが必要です。
黄変しにくい、塗膜を侵さないがウリですが、アクリル絵の具は剥がれます。残念。
レジンコートの目的は私の場合大きくふたつあり、まずひとつは目をツヤツヤキラキラさせたいという煩悩。レジンついでにハイライト部分に金グリッターを入れてキラキラさせるのが好みです。それはさておき、ふたつめが重要で、全体を均一に覆うことで塗りムラ(凹凸)を消すという大事な目的があります。
絵の具濃度の調整ミスにより、筆の跡や絵の具の塊が残ってしまい、デコボコして見えるようになってしまった…。なんて時、そのデコボコが目に見えるのは、デコボコした表面に光が反射しているからです。つまり、表面を透明な膜で覆って均一にしてやり、光が均一に反射するように調整してやれば、デコボコは見えなくなります。
というのがプラモデル界隈の先輩の受け売りです。プラモ界隈では何だっけ、何か名前のついた技法だったはずです。何て言いましたっけね、トップコートを吹いた後に番手の高いヤスリで研ぎ出すアレです、アレ。研ぎ出し?忘れてしまいました。先輩ごめんなさい。でもおかげで助かっています。
実践!1から面相大作戦
さて、道具が揃ったところで、以下は実際の作業工程の記録です。
下準備
そのへんにあった適当な水彩色鉛筆(茶色)で、適宜髪パーツと合わせながら直に下書きを描いていきます。普通に消しゴムで消えます。便利ですね。
水彩色鉛筆を使用した意図は、この後絵の具の水分で溶けるのではないかと考えたからですが、効果のほどは不明です。何せ消しゴムで消えますので。
眉毛やら睫毛やら口やらを入れ、目の中にジェッソを塗ります。実際の工程ですが、
- 上下睫毛を描く
- 毛足の長い筆+水で薄めたジェッソで目の中全体に白を置く
※ムラを作らないように、目の形の水溜りを作るような感覚で。乾くと微妙に透けます - 微妙に透けている下書きを元に、てきとうな絵の具で目玉のアウトラインの下書きを入れる
- 毛足の長い筆+水で薄めたジェッソで目の中全体に白を置く
※目玉のアウトラインごと塗り潰します。乾くと微妙に透けます
※これで白目部分が完成になります。白さが足りない場合はこの工程を繰り返します - 目の影を目全体に入れる
※目玉部分の中にも塗ってしまいます。そのほうがムラになりません - 微妙に透けている下書きを元に、目玉のアウトラインを入れる
- 目玉の中を薄めたジェッソで塗り潰す
となっています。これ以降、目玉の形を整える時など白目部分を弄る場合は、原液のジェッソを使っていきます。
目玉の塗り
完成!からの、
やり直し!!!!!
顔パーツだけ見た時はけっこうかわいかったのですが、実際につけてみると何だか妙に目が離れていて気になる…というわけで、シンナーですべてを無に返して1からやり直しました。やり直したのがこちら。
微妙に目の位置を上、かつ中央寄りに調整しました。ここから更にハイライトと黒を乗せ、レジンでコートし…
完成した天使×2
我が家に天使が舞い降りた日:3月8日
いや元々天使なのですが。いやはや。
筆者の場合、そもそも作るキャラクターが一次創作(絵と漫画)、というわけで、やはりオーバーペイントよりも自分で描いたほうがそれっぽくなります。いやかわいいったらないね。あとやはりチロル最強説があります。両手でチロルを持つちびっこ。無理か。
そんなわけで、初めてのアイペイントレポートでした。感想:筆とパレットと絵の具とジェッソと水があれば顔は描ける。なんかもっと流行ったらいいと思います。楽しいですよ!
ではまたそのうち。